2006年08月31日

赤ん坊はなぜ死んだのか

ちょっと前に報道されてから、気になっている事件の1つがこれ。

MSN毎日インタラクティブ

報道当初、「4ヶ月の乳児を乳児を5時間も放置するなんてひどい話だ」「しかも映画だの食事だの自分の都合で遊びに出かけてるだけだろう。非常識だ」という論調をあちこちで見かけた。
まあ、それは私も同意だ。これを繰り返していれば、十分ネグレクトの虐待に該当する。1度だけだとしても、非常識、育児放棄には変わりない。
が、気になっているのはそこではない。
報道では、
男児は寝返りをうってうつぶせ状態になり窒息死した可能性が高い。警視庁池袋署は重過失致死や保護責任者遺棄致死の疑いもあるとみて母親から詳しく事情を聴いている。

とあるわけだが、これは実際に窒息死だったのだろうか、という点である。

SIDS(乳幼児突然死症候群)という病気がある。
特別に異常がみられない元気な乳児が、突然なんの前触れもなく亡くなってしまう病気である。あくまで病気であり、窒息をはじめとする事故や外因死を除外しなければ診断できない。
が、一つの症候群としては確立されている。生来、循環器系や呼吸器系に弱いところがあり、睡眠が深くなることによって呼吸が弱まり、呼吸停止に至るのではないか、とも考えられている。
親の喫煙、うつぶせ寝、人工栄養はSIDSのハイリスク要因とされているが、このうち、喫煙とうつぶせ寝については、呼吸を弱める要因になる、という説がある。
昔、SIDSという概念が普及していなかったころ、特別な要因もなく乳児が突然亡くなると、「母親がちゃんとみてなかったから、布団や枕などで窒息したんじゃないか」と責められることが現実にあった。
今では、そのような突然死のうち、何割かはSIDSであっただろう、病死であり親には咎がなかった、と考えられている。

この事件で亡くなった赤ん坊は、もしかして、SIDSであった可能性はないのだろうか。
親が5時間不在にならなくても、亡くなる運命にあった可能性は、どうなのだろう。
SIDSは睡眠時に起こるので、たとえ同じ部屋にいても「よく寝てるな」と思っていて呼吸停止に気がつかないこともある。5時間どころか、1時間程度でもある。
事件性を考えると、解剖も行われているはずで、その結果死因が窒息であると判明すれば、母親は最低でも保護責任者遺棄致死で送検されるだろう。
が、窒息ではない、病死やその他の内因死となると、母親が5時間家を空けようと、その死には直接はなんら関わっていない、というわけだ。
もしこの母親が、誠実に赤ん坊の世話をし、家にい続けていても、赤ん坊は亡くなっていたかもしれない、ということでもある。

その後、立件されたとも、赤ん坊の死因が判明したとも報道はない。事件から10日以上がたち、少なくとも解剖の時点では、窒息と決定できる要因がなかったのだろう。となると、本当に病死であった可能性もある。
なんで、それが気になっているのか。
たぶん、このかわいそうな赤ん坊が、親に放置されたから亡くなったのではなく、たまたま病気による運命で亡くなったのだ、と思ったほうが、気持ちが楽だからだろう。
ラベル:幼児虐待 SIDS
posted by あずみ at 14:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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