2007年03月24日

最高裁、代理出産子を実子と認めない決定

向井亜紀さんの代理出産による子が実子と認められるか、の裁判の結論が最高裁で出た。
結論からいうと、実子とは認めない、という決定となった。結局、昨年9月に出た東京高裁の判断を覆す結果となった。
各新聞社サイトで報道されているが、内容はYOMIURI ONLINEが最も詳しいもよう。

向井亜紀さんの双子男児、出生届受理を認めず…最高裁


この件について、昨年高裁の判決が出たあとに、ここで一連の記事を書いている。

代理出産はエゴイズムの固まりだ……反対の立場より(その1)
代理出産はエゴイズムの固まりだ……反対の立場より(その2)
代理出産はエゴイズムの固まりだ……反対の立場より(その3・結)
代理母を守れ 〜代理出産問題に関連して


今回の最高裁決定についは、自分としては、やはりこうなったか、という感もある。現行法での限界だと思う。違憲裁判などでもそうだが、高裁までは控訴によって必ずしも最終決定とはならないので、比較的リベラルあるいは新しい法解釈による判決・決定が出ることがあるが、最高裁ではなかなかそうもいかない。現状で最高裁が冒険的な決定を下さなかったのも無理はない。ここで一家族について認めてしまったら、おそらく次から次へ歯止めなく海外での代理出産→実子認定が続くことになっていただろう。そして、別に国内を整備する必要なんてないじゃない? という意見が出てくることも必至であっただろう。

裁判官の補足意見にもいろいろあるが、それぞれの補足意見を読んでみると、ほぼ裁判官の共通した認識として「現状では法整備が全くされていない」というのがある。
司法府は、法の解釈はするが、立法はできない。この補足意見の裏は、司法府ではこれ以上ゆるい解釈は不可能です、なんとかしたいなら立法府でまず法整備をしてください、というメッセージなのだろうと思う。

代理出産賛成派、反対派、双方とも、とにかく法的にきちんと整備すべし(法体制を整えるなり明確に禁止するなり)という意識は同様にあるだろう。私は基本的に反対の考えではあるが、以前の記事にも書いたように、法的に整備されれば、必ずしも全面的な禁止は必要ないと思っている。

脳死が死と認められ、日本で脳死移植が始まるまでにも、長い年月がかかった。当時、脳死移植が認められたら、救急の場で十分な救命治療が受けられなくなるんじゃないか、という意見を言った人も多数いた。
現状、個人としては脳死や臓器移植を受け入れられない人でも、脳死を死とすることもある法律の下で暮らしており、今後「絶対に脳死は死とはしない」ように法が改正される可能性はほぼありえない。上記のような不信を口にする人もあまり見かけなくなった。

とりあえず、海外で代理出産をして実子を得る、という方法は日本では認められない、とはっきり決定が出たことによって、先に進むことができるようになった。時間はかかるかもしれないけれど、ここからあらためて議論の出発点になることを願わずにはいられない。
ラベル:代理出産
posted by あずみ at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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