2007年08月14日

ケミカルライト破損時の注意

備えあれば憂いなしさん経由で知ったニュース。

asahi.com:ケミカルライトの液体でけが、子どもの被害相次ぐ - 暮らし
http://www.asahi.com/life/update/0811/TKY200708110236.html
 夏祭りやコンサート会場で販売されている発光性の「ケミカルライト」が破損し、漏れ出た液体が目に入るなどして子どもがけがをする例が相次いでいることが、東京消防庁の調査でわかった。05年4月以降、都内で誤飲も含め14人が病院に搬送された。夏休み中の発生が多く、同庁は「強く折り曲げたりぶつけたりしないように」と注意を呼びかけている。


ケミカルライトは我が家でも人気のおもちゃで、よく100円ショップで買ってくる。これまで危険な目にあったことはないので、あまり気にしていなかった。
記事の内容をまとめると、

・ケミカルライトが破損し、中の液が目に入り、目に炎症を起こしたケースがある。
・液体を触った手で目をこすり、目が痛くなったケースがある。
・3歳の子どもが液を誤飲し、入院したケースがある。(病状についての記載なし。おそらく経過観察入院ではないだろうか)

これに加えて、メーカー側からの情報として。

・中の液体は1〜10g程度。毒劇物は含まれない。
・嚥下時の致死量は体重1kgあたり約17g。
・液体が目に入ると痛みをおこす場合があるが水で洗い流せば大事には至らない。

そこで、日本中毒センターのサイトにもあたってみた。
ここに一般向け中毒情報データベースがある。家庭での誤飲や中毒時に頼りになるサイトである。
ここに、やはりケミカルライトに関する情報も載っていた。データベース内の「蛍光玩具−ケミカルライト」(pdfファイル)という項目である。
これによると、内容液の90%が溶剤(フタル酸ジブチルなど、フタル酸エステル系)で、毒性のほとんどはこの溶剤によるものだという。
フタル酸エステルは、大量に飲んだ場合、口の中や喉の刺激症状のほか、嘔吐、めまい、中枢神経抑制傾向、腎炎などが起きる可能性があるという。ただ、asahi.comの記事同様、1つの玩具に含まれる溶剤の量が少ないため、全量を飲んでしまったとしても急性中毒になる可能性は低いとされている。
また、吸い込んだ場合は鼻や気道の粘膜の刺激、濃度が高い場合は呼吸障害。ただし、揮発性は少ないので、通常の状況ならば大量に気道に吸い込む可能性は低い。
目に入った場合は痛みや炎症、皮膚についた場合はアレルギー性皮膚炎になる可能性があるという。

処置としては、飲んだ場合は大量に水を飲ませること。目に入った場合はよく流水で洗うこと(15分以上)。痛みなどが続くなら医療機関に受診すること。
どうやら、このフタル酸エステル溶剤は、粘膜の刺激性が強く、飲んだり目に入ったりした場合は、毒性のわりには痛みをかなり発するらしい。たぶん、ニュース記事に載ったようなケースでも、相当子どもは痛がって、どんな恐ろしいことが起こったのかと周りの大人たちも思ったのではないだろうか。
ケミカルライトに含まれる溶剤の量からすると、最も問題になるのは、この痛みと炎症だろう。強い中毒が起こる可能性はほとんどないといってよさそうだ。フタル酸エステル自体の蓄積性も少ないとのことなので、ひどく恐れる必要もないだろう。

この記事と情報から思ったことは、次の点。

・ケミカルライトを折る時は、力まかせに折らず、ゆっくりと曲げるように折ること。子どもにもそう指導する。これで内容液の漏れを防ぐ。
・光り終わったものはあとあとまでおもちゃにせず、すぐに捨てること。光っていなくても溶剤が含まれているから、危険性は変わらない。
・もし液漏れして目に入ったり口に入ったりしたら、上記に従って処置する。その時、子どもの痛がりようを見て焦らないこと。まずとにかく綺麗に洗ってやることが先決だし、そのほうが本人も楽になる。
・洗った上で痛みや炎症が残れば受診する。逆に言えば、痛みが消えて炎症も目立たなければ受診の必要は必ずしもないということ。ただし量が多めの誤飲の場合は、水を飲ませたうえで最初から受診したほうがいいだろう。飛び散った飛沫が口に飛び込んだ程度なら必要ない。
・子どものおもちゃには液量の少ないものを与えるほうがいい。もし折れても飛び散りにくいし危険が少ない。また、細いほうが折り曲げた時に柔軟なので破損しにくい(経験上)。

なかなか勉強になりました。「備えあれば憂いなし」さん、どうもありがとうございました。
posted by あずみ at 12:34| Comment(4) | TrackBack(1) | ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
100均ショップのはたくさん入っている(12本入りってのを買ったことがある)奴は持続時間が短かったですな(値段相応?)。5本か6本入りのがいんじゃないでしょうか。
元々はキャンプ等での緊急用、補助光源として(サイリュームという輸入商品でした)小さい奴は夜釣りの集魚用光源として(ぎょぎょライトとかいう商品名で)20年近く昔からあるものです。
「説明書を読めば失敗はしないのに」って事なんだけどな。親の不注意により起きた事故という奴は聞くたびにいやな感じがします。
Posted by T・伊藤 at 2007年08月15日 10:09
あずみさま

トラックバックありがとうございます。
丁寧に調べられた結果に感動しています。
知らなかった事ばかりでとても参考になるので、あらためてトラックバックさせていただきますね。

正しく使えばケガをしないおもちゃも、不注意が重なると事故が起きるようですね。個人的にはまさか液漏れするとは思わなかったので、驚いて記事にしました。
Posted by ちひろ at 2007年08月15日 14:22
>T・伊藤さん
コメントをありがとうございます。
おっしゃるように、製品自体は昔からありますが、子どものおもちゃとして露店などでよく見かけるようになったのはいつごろだったかなあ。
子どものおもちゃに関しては、周囲の不注意もそうなんですが、まず大人がその製品の危険性を認識していない場合があります。化学発光のおもちゃの液が危険かそうでないかなんて、そのつもりで調べないと、小さな説明書きくらいしか知らないですよね。
このような形で広く知らされること自体はいいことだと思うのですが、asahi.comの記事はちょっとタイトルが煽り気味かなぁ、なんてのは思いました。
Posted by あずみ at 2007年08月15日 17:40
>ちひろさん
わざわざコメントをいただき、ありがとうございます。
中毒の話は、(元)職業柄気になりますので、こういう話を見るとついいろいろあたってしまいます。
おもちゃにしろ、服など身近な製品にしろ、子どもが絡むと、思いがけない落とし穴がありますね。なんでそんなことするのっ!ということがよくよくありますしね。子どもをもつ前はあまり気にしなかったことが、子どもをもつようになってからいろいろと分かるようになり、面白くもあり、驚く面もありです。
今回ご紹介いただいた記事は本当に勉強になりました。あらためてお礼申し上げます。
Posted by あずみ at 2007年08月15日 17:44
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ケミカルライト・続報
Excerpt: 先日の「ポキッと折る時気をつけて!ケミカルライトにご用心」に、ふたつとない日常さ
Weblog: 備えあれば憂いなし
Tracked: 2007-08-16 16:38

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