2007年03月24日

最高裁、代理出産子を実子と認めない決定

向井亜紀さんの代理出産による子が実子と認められるか、の裁判の結論が最高裁で出た。
結論からいうと、実子とは認めない、という決定となった。結局、昨年9月に出た東京高裁の判断を覆す結果となった。
各新聞社サイトで報道されているが、内容はYOMIURI ONLINEが最も詳しいもよう。

向井亜紀さんの双子男児、出生届受理を認めず…最高裁


この件について、昨年高裁の判決が出たあとに、ここで一連の記事を書いている。

代理出産はエゴイズムの固まりだ……反対の立場より(その1)
代理出産はエゴイズムの固まりだ……反対の立場より(その2)
代理出産はエゴイズムの固まりだ……反対の立場より(その3・結)
代理母を守れ 〜代理出産問題に関連して


今回の最高裁決定についは、自分としては、やはりこうなったか、という感もある。現行法での限界だと思う。違憲裁判などでもそうだが、高裁までは控訴によって必ずしも最終決定とはならないので、比較的リベラルあるいは新しい法解釈による判決・決定が出ることがあるが、最高裁ではなかなかそうもいかない。現状で最高裁が冒険的な決定を下さなかったのも無理はない。ここで一家族について認めてしまったら、おそらく次から次へ歯止めなく海外での代理出産→実子認定が続くことになっていただろう。そして、別に国内を整備する必要なんてないじゃない? という意見が出てくることも必至であっただろう。

裁判官の補足意見にもいろいろあるが、それぞれの補足意見を読んでみると、ほぼ裁判官の共通した認識として「現状では法整備が全くされていない」というのがある。
司法府は、法の解釈はするが、立法はできない。この補足意見の裏は、司法府ではこれ以上ゆるい解釈は不可能です、なんとかしたいなら立法府でまず法整備をしてください、というメッセージなのだろうと思う。

代理出産賛成派、反対派、双方とも、とにかく法的にきちんと整備すべし(法体制を整えるなり明確に禁止するなり)という意識は同様にあるだろう。私は基本的に反対の考えではあるが、以前の記事にも書いたように、法的に整備されれば、必ずしも全面的な禁止は必要ないと思っている。

脳死が死と認められ、日本で脳死移植が始まるまでにも、長い年月がかかった。当時、脳死移植が認められたら、救急の場で十分な救命治療が受けられなくなるんじゃないか、という意見を言った人も多数いた。
現状、個人としては脳死や臓器移植を受け入れられない人でも、脳死を死とすることもある法律の下で暮らしており、今後「絶対に脳死は死とはしない」ように法が改正される可能性はほぼありえない。上記のような不信を口にする人もあまり見かけなくなった。

とりあえず、海外で代理出産をして実子を得る、という方法は日本では認められない、とはっきり決定が出たことによって、先に進むことができるようになった。時間はかかるかもしれないけれど、ここからあらためて議論の出発点になることを願わずにはいられない。
タグ:代理出産
posted by あずみ at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月22日

2007年度は土曜の朝はNHK教育で決まりだ!

またまた春からのNHK教育の話。
どうやら、これまで子どもをどうやって誤魔化そうか四苦八苦していた土曜朝の子ども向け番組がいきなり充実するらしい。きっとうちと同じように「なんで一貫団欒お休みの朝なのに、俳句やら短歌やらシブすぎる番組やってんのよ〜っ!」と思っていた人が多かったんだろうなあ。

2007年4月からの土曜朝のプログラムはこうなる。称して「こどもゾーン」だそうだ。

 7:00〜 7:25 音楽のちから
 7:25〜 7:50 アニメ 風の少女エミリー
 7:50〜 8:20 ニャンちゅうワールド放送局
 8:20〜 8:35 ざわざわ森のがんこちゃん
 8:35〜 9:00 おかあさんといっしょ
 9:00〜 9:15 モリゾー・キッコロ 森へいこうよ!
 9:15〜10:00 科学大好き! 土よう塾

リスト中、新番組は赤文字。他の時間帯からの移動(再放送も含む)は青文字


以下、各番組について。なお、番宣文句はすべてNHKオンラインNHK 春の新番組から読めるものからの引用である。

 ・音楽のちから
以前に特番で「〜のちから」シリーズを放送していたような気がするが(青島広志先生が出ていたんじゃなかったろうか、たしか)、それが帯番組化したものだろうか。番宣によれば
「知力・体力・想像力・創作力、ひとつの分野で頂点を極めた人間のちからはすごい!」をコンセプトに、芸術・文化・スポーツの各分野の第一級の極意を子どもたちに伝授する。
とのことである。
最初が「音楽のちから」で、さらに3ヶ月ごとに続いて「アートのちから」「からだのちから」を放送予定。

 ・風の少女エミリー
「赤毛のアン」の作者、L.M.モンゴメリの日記をもとにした話とのこと。「赤毛のアン」自体がかなりモンゴメリ自身の少女時代の体験と重なる部分があるそうなので、おそらく「赤毛のアン」っぽい話になると思われる。舞台もプリンスエドワード島らしい。
絵柄は、番宣を見る限り、よくも悪くも名作劇場っぽい感じ。男の子はあまり面白がらないかもしれないなあ。

 ・ニャンちゅうワールド放送局
日曜5時の枠から、こちらへ引っ越し。菊地美香ちゃんは卒業でお姉さん交代という噂を聞きましたが、どうなのかな? とりあえず、子どもらは朝からピングーとミッフィーとだいすきマウスを見て「うたっておえかき」ができるので喜ぶだろうな。

 ・ざわざわ森のがんこちゃん
小学1年向けの道徳人形劇番組だが、道徳とは関係なくキャラも話もかわいいので、単独番組としてもやっていけるだろうな。安心感と安定感はある。これを土曜にもってくるのは案外正解かも。

 ・おかあさんといっしょ
これはかわらず、「あそびだいすき!」とコンサート録画などが放送される模様。

 ・モリゾー・キッコロ 森へいこうよ!
おまえら、森へ帰ったんじゃなかったのかーーーっ! 地元でやってたあのお別れイベントはなんだったんだ! と言いたくもなりますが、それにしても、これだけキャラとして独立できると分かっていれば、あの造形のナニな着ぐるみも、もうちょっとはイラストやアニメのように可愛らしく作ってもらえたでしょうに……。
番組内容は、番宣によれば、
2人の森の妖精が子どもたちを森にいざない、さまざまな「遊び」を体験、自然の大切さや共存の知恵に「気づく」手助けをしてくれる楽しい環境教育番組だ。訪ねるのは、大都市近郊の雑木林から原生林が残る森、八ヶ岳山ろくや雪国のブナの森まで、さまざま。

どうやら、あちらやこちらの森へ行き、森遊びや森の自然の様子を紹介する番組のよう。モリコロが出る以上、故郷である(ことになっている)瀬戸の海上の森も舞台のひとつになるんだろうな。

 ・科学大好き! 土よう塾
これもかわらず。おそらく内容も大きくはかわらず。


とりあえず、ありがたいことに、土曜の朝のチャンネル選択には苦労しなくてすむようになりました(笑) 4月からはニャンちゅうとともに子どもたちが起きてくれそうです。ありがとうNHK。

あっ!!
ところで、「しばわんこと和のこころ」はどうなっちゃうのっっ!?
タグ:NHK教育
posted by あずみ at 13:56| Comment(6) | TrackBack(0) | NHK教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月15日

平成19年度 NHK教育テレビ編成メモ

NHK教育テレビの平成19年(2007年)度の編成が発表になったのようなので、ざっと眺めて、気がついたところをメモ。

情報元:
平成19年度幼稚園保育所番組と利用の手引き(pdfファイル)
NHKデジタル教材 平成19年度年間放送予定全番組時刻表(pdfファイル)

まず、幼稚園・保育所向き放送から。

・ピタゴラスイッチの今年度の放送が土曜17:25〜17:40に再放送される! 平日午前では見られない学生・社会人への配慮かな? 火曜・水曜の放送は新収録で安心。

・「わたしのきもち」は今年度の再放送。

・あ……「あいのて」がなくなってる……。個人的には好きだったのに〜。ある回の放送に苦情がきたという話だから、それで再放送をするのをやめてしまったのか。けっこうクオリティ高いと思っていたので、残念。

・「おかあさんといっしょ」の土曜の別編成は継続。「あそびだいすき」が続くと考えていいのか。弘道おにいさんは好きだが、内容はちと微妙だと思っているのだが。

・「いないいないばぁっ!」は正式に進行役が「ことちゃん」であることが記載されている。ふうかちゃん卒業。うーたん継続。

続いて、学校放送

・「ざわざわ森のがんこちゃん」は今年度の再放送。「バケルノ小学校ヒュードロ組」は昨年度(平成17年度)の再放送らしい。

・「ストレッチマン2」「みてハッスルきいてハッスル」の健在は既に各所で報道済み。(新収録にゲストが登場したり、ふじまるが卒業、花影に新人が登場することが判明している)

・「わかる算数」シリーズがなくなり、「マテマティカ2」に交代。好きだったのに……。先生萌えできる数少ない番組だったのだが。

・「えいごでしゃべらないとJr.」が新番組で登場。特に興味はない。ただの英会話番組だろうしなあ。「えいごリアン」と別につくるところからして、エンターテインメントとしては期待できない気がする。

・概観して気がつくのは、英語番組が増えたぶん、音楽教育番組がなくなったこと(もともと昨年度から「あいのて」のみになっていたけど)。たいてい音楽専任教師が教える高学年相手はともかく、低学年は……。音楽教育はAV教材を有効に使いやすい分野だし、NHKは音楽も得意分野のはずなんだが。いよいよ音楽教育が軽視されはじめたということだろうか。

タグ:NHK教育
posted by あずみ at 10:48| Comment(2) | TrackBack(0) | NHK教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月26日

赤ちゃんポストを利用するのは誰なのか

熊本の病院が設置を検討していた「赤ちゃんポスト」について、厚生労働省が法的な問題はないと判断した、というニュースが報道された。これによって、病院は実際の設置へ向けて動き出すものと思われる。

asahi.comより
熊本の病院が「赤ちゃん引き取りポスト」 賛否両論
赤ちゃんポスト、厚労省が「適法」 熊本の病院申請分

赤ちゃんポスト(以下「ポスト」)設置については、賛否両論あるもよう。それは当然であろう。
ここでは設置の是非については考えず、ポストを利用するのは誰なのだろうか、ということについて考えてみる。

ポスト反対派の代償的な意見として、「ポストの設置によって育児放棄が増える」というものがある。
これについては、私はいささか疑問がある。
ポストは、その設置の目的上、基本的に以下のような状況で利用されるものである。

  1.出産の事実を隠匿したい
  2.子との関係性を完全に絶ちたい

ポストを利用するのは、いわゆる捨て子に該当する。生まれたばかりの新生児を対象としており、実際、生まれてから何ヶ月か経過した大きな赤ん坊には利用できないだろうし、その理由もない。
産んで育て始めたあとに、育児に疲れた、なんらかの事情(経済的理由、婚姻解消など)で困窮した、というような状況であれば、ポストを利用するようなものではなく、役所や保健所、児童相談所に相談すればいい話である。
仮にそこに思い至らないとしても、捨て子という発想にはならないだろう。既にその親が赤ん坊を育てている、ということがいろいろな方面に分かってしまっている。近所との交流がない場合でも、出生届を受け付けた役所は当然その人が親になったことを知っているわけだ。
いずれにしろ、既に何ヶ月か育てたあとの子どもを捨てるのは、心理的にも状況的にも困難である。たまに報道で耳にする捨て子も、ほとんどが生まれてまもない新生児だ。
こういった事情から、育児の中断という意味での育児放棄は、ポストの存在による増加への影響はほとんど受けないと考えられる。

次に、新生児の遺棄について考えてみる。
新生児の時点で捨てたいと思うケースは、まだ育児を本格的に開始する前の段階であることから、育児疲れなどの理由は非常に少なく、最初から子どもをもつことを拒否あるいは否定する状況にある場合と考えられる。子を産んだという事実そのものを否定したいという場合である。
こういったケースの大部分は、日本の場合、妊娠中絶を選択するものと思われる。中絶のほうが10ヶ月近く妊娠を継続し出産という大仕事をするのに比べて総合的な身体的・時間的負担は少ないし、経済的負担も少ない。中絶への障壁は低い。
中絶を選ばないケースは、かなり特殊な場合ということになろう。当初は出産育児に意欲的だったが中絶可能期間を過ぎてから状況が大きく変化した場合や、中絶可能期間を過ぎるまで妊娠に気がつかなかった場合、宗教的理由により中絶しない場合など。そのうち、産んでみたら自分で育てる意欲が出てきた、あるいは周囲(親族、施設などを含む)が育てるという選択をしないケースはさらに少なくなる。
もともと、日本においては、捨て子は極めて限定的で特殊なケースなのだ。ポストが設置されたからといって、うなぎ登りに捨て子の数が増えるとは考えにくい。
末尾にあげた参考文献によると、ドイツでは、2000年初頭に初めて設置された「捨て子ボックス」の利用は、2002年8月までに5件(設置数は当時約30件)。オーストリアでは「捨て子ボックス」が合法化されているにもかかわらず、利用は0件(ただし設置数は8件)とのことである。

オーストリアのケースで興味深いのは、「捨て子ボックス」の設置とは別に、匿名出産すなわち親が誰かを隠匿して子を病院などへ渡す出産が認められ行われていた、それゆえ「捨て子ボックス」の利用がないのだろう、ということだ。
捨て子の本質は、親が育児から逃れることではなく、出産という事実から逃れることである。さまざまな事情で、出産自体をなかったことにせねばならない事態が、捨て子という苦渋の選択をさせる。
これが、上記箇条書きで挙げた項目1.なのである。

項目2.については、1.と重なる部分もある。
しかし、別項目としたのは、親側からの関係断絶だけでなく、子側からの関係断絶を親が求めて子を捨てる、というケースがありうると考えたからだ。
例えば、仮に以下のようなケースを想定する。
不法滞在の外国人が妊娠、出産した。父親は分からない、あるいは頼れない。自分で育てることも仕事上や経済的理由から困難。加えて、不法滞在がばれて強制送還となって、子ども連れで本国に返されたら、親子で路頭に迷う。
こんな場合、あえて子を捨てれば、その子は親が不明の捨て子として日本国籍を得ることができる。
この場合は、親が誰であるか分からないことがその子にとっては有効に働く可能性がある。本国での暮らしが極端に貧しく危険なものであるならば、せめて子どもには施設暮らしでもいいから日本で暮らさせたい、と思う者もいるかもしれない。
実のところ、もしポストが設置された場合、増えるとしたこういうケースなのではないかと考える。
今回ポスト設置が申請されたのは地方都市なのだが、もしこれが首都圏などの繁華街の近くだったら、予想以上に利用が増えるのではないだろうか、という気がする。

以上、あくまで、頭の中で考えたことだ。実際に設置されたらどうなるかは、なってみなければ分からない。
とはいえ、少なくとも「ポストを設置したら育児放棄が増える」ということはないような気がする。もし増えるとしても、3件が4件になったとか、誤差としか言えないような、その程度の話でしかないんじゃないだろうか。

【参考文献】
ひとは如何にして子どもを「捨てる」か ――ドイツにおける「捨て子ボックス」の現状報告――
阪本 恭子
雑誌『医療・生命と倫理・社会』オンライン版 Vol.2 No.1 2002年9月20日刊行(大阪大学大学院医学系研究科  医の倫理学教室)
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/eth/OJ2-1/sakamoto.htm

オーストリアにおける捨て子ボックスと匿名出産に関する2001年7月27日の法令
阪本 恭子
雑誌『医療・生命と倫理・社会』オンライン版 Vol.5 No.1/2 2006年3月20日刊行(大阪大学大学院医学系研究科  医の倫理学教室)
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/eth/OJ5/Oesterreich.pdf


posted by あずみ at 00:46| Comment(3) | TrackBack(1) | ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

出産する250人に1人が生命の危険に曝される


出産時に命の危険、年間2300人の妊婦が遭遇 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

興味深い記事である。

 出産時の大量出血などで母体に緊急治療が必要なケースが少なくとも年間2300件以上あり、これに基づく推計で出産の250件に1件の割合に上ることが、日本産科婦人科学会周産期委員会(委員長・岡村州博東北大教授)の調査で判明した。


現在の日本で、出産のうち250件に1件は生命の危険がある、というのは、想像以上に多いなぁ、という印象。実数としては、妊産婦数が12万4595人、うち生命の危険があったのは2325人。
もちろん、そのうち実際に死亡に至る数は少なくて、うち20人。単純計算で10万人中16人。国の統計では10万人中6人くらいということだから、それよりはやや高く出ている。調査対象が「全国の同学会(筆者注:日本産科婦人科学会)卒後研修指導施設と救命救急センター」とのことで、高リスク出産を扱わない開業の産婦人科医院・産院を含まないため、そうなっているのだろう。
そういった偏りも含めて調整して算出した結果として、上記記事中の250人中1人に生命の危険、という結果を出したということだ。

現在の日本は、周産期医療については世界のトップクラスのレベルにある。
いわば、妊産婦の250人に1人は、出産時に自分の生命の危険に曝されている一方で、その救命率は高い。生命の危険に遭う前にそれを予測して回避する、例えば早いうちに帝王切開を選択したり、高リスクの妊婦の場合は妊娠期の早いうちから綿密な検査と継続的なフォローを行ったりすることも、広く積極的に行われている。(参考:帝王切開増加と少子化の関係
しかし、逆に言えば、救命率の高さゆえ、実は出産とは今も昔も体を張った仕事で、自分の命をも賭ける可能性がある、ということを忘れがちでもある。それだけ回避の方法をとっていても、なお250人に1人、年間に2300人が、いわば「死ぬかと思った」思いをしているわけである。それらの例の予後についてはこの記事では述べられていないが、死には至らないまでも、脳出血の例などでは後遺症が残った人もいる可能性がある。

現在の日本でも、出産が命懸けであることは変わりがない。出産そのものは昔から変わっているわけではない。ただ、どんな場合に危険なのかの判断や、判断の材料となる検査や機械の進歩、その危険をどうやれば回避できるかの技術などが良い方に変わってきただけなのだ。
そこがどうも忘れられがちになっているような気がする。
posted by あずみ at 15:27| Comment(3) | TrackBack(0) | ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月05日

NHK教育で行こう!〜その10「わたしのきもち」ふたたび

以前やっていたブログですでにとりあげた番組(リンクはこちら→NHK教育で行こう!〜その4「わたしのきもち」)ですが、ふたたび取り上げさせていただこうかというわけで。

「わたしのきもち」は未就学(幼稚園・保育所)児向けの、コミュニケーション指向番組。NHKの公式ページ(リンクはこちら)からの引用によれば、
この番組は、子どもたちに人間関係をうまく結ぶためのヒントを提示します。
(中略)
楽しみながらコミュニケーション力が高まることをねらいとする番組です。

というものである。
毎週金曜10:30〜10:45本放送、木曜日9:15〜9:30再放送で、その他に、木・金曜の16:45から5分間の「わたしのきもちミニ」の放送がある。

実は、初年度のインパクトの強い放送から、次年度、「かおのたいそう」の担当が的場浩司からベッキーになってインパクトがなくなり、もっさんと3人の子どもが直接絡んで作っていたコーナーから、もっさんの存在感が薄くなり、というかただのナレーターになって「うえだくんしただくん」がメインとなってから、どうも面白くなくなったと思って、一旦あまり見なくなっていた。
特に「うえだくんしただくん」のキャラクターが、前のブログでも書いたことがあるが、全身タイツで清潔感に欠け、台詞回しや話の展開もわざとらしすぎて、あまり好きになれなかったことがある。

ところが、今年度(今年ではなく)になってから、「わたしのきもちミニ」もやりだして、ちょくちょくまた見るようになったら、ずいぶんと面白くなっていた。
「うえだくんしただくん」のコーナーは、「うえだくん」と「しただくん」という2人のキャラクター(大人が演じているが、設定は子ども)が、寸劇あるいはコント的なやりとりをして、お互いの気持ちを伝えたり、さまざまな生活の場面でどう行動すればいいかを示したりするものだ。例えば、おもちゃの取り合い、遊びの仲間に加わりたいとき、友達の家へ友達を呼びにいったら親が出てきたとき、など。
これが、「うえだくんしただくん」デビュー当初は、非常に動きもしゃべりもわざとらしさが強く、ぎゃくしゃくとして、内容も分かりにくかったのだが、最近はコント的なやりとりが増え、同時に、心の中の声をテレビカメラ(つまり見ている側からすると画面)に向かって普通の大人のような口調で語ったりするようになった。
これがけっこう面白い。初期のぎくしゃくしたというか落ち着かない感じもなくなった。

この「うえだくんしただくん」の2人、またNHK教育によくある若手お笑いコンビなのか?と思ったら、全然違うらしい。
「うえだくん」は小林顕作さんという人で、俳優、舞台演出、音楽など非常に広い範囲で活躍している人だそうだ。こちらのページがプロフィール。
「しただくん」は藤岡豊さんという人で、こちらも俳優さんらしい。ご本人の公式ページはこちら
そうしてみると、「うえだくんしただくん」初期のノリは、つまりまだコンビの息が合ってない、というやつだったのか。あるいは、どんな感じで演技すればいいのか、まだ固まっていなかったのか。

そんなわけで、また「わたしのきもち」を見るようになった次第である。
コミュニケーション指向番組としてはADHD・高機能自閉症などの発達障害児向きの「みてハッスルきいてハッスル」もある。
この手の番組は、大人が見ていても「ああ、そうか」と思うことがあるので、けっこう面白い。
タグ:NHK教育
posted by あずみ at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | NHK教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月30日

夫婦別姓法制化に関する調査結果に思う

夫婦別姓法制化に関する調査の結果が出ている。

夫婦別姓制度:容認派減り、反対派増える 内閣府世論調査−今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
asahi.com:選択的夫婦別姓、賛否は拮抗 内閣府調査�-�暮らし
夫婦別姓、法改正反対派増え賛否が拮抗…内閣府調査 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

この調査報告の全文については、内閣府ホームページ「家族の法制に関する世論調査」で読むことができる。

報道によれば、夫婦別姓を法的に認めるかについて、5年前の結果と比較すると、認める方向への法改正に賛成の割合が減り、反対の割合が増え、ほぼ同率で拮抗する結果となった、ということだ。
これの詳しい内容について、ホームページで公表されている結果では、以下のようになっている。(前の数字が平成13年調査、後の数字が今回の平成18年調査)

 ・婚姻をする以上,夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきであり,現在の法律を改める必要はない  29.9%→35.0%
 ・夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望している場合には,夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない 42.1%→36.6%
 ・夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望していても,夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが,婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては,かまわない  23.5%→25.1%

夫婦別姓が法的に認められた場合、夫婦別姓としたい人にとっては朗報である。しかし、別に夫婦別姓にするつもりがなかったり、あるいは結婚自体するつもりがない人にとっては、率直に言ってどうでもいい話である。それによって大きな不利益を被ることもない。事務が多少煩雑になる可能性はあるが、それも多少の話にすぎない。しゃかりきになって反対するほどの理由ではなかろう。
しかし、実際には、かなりの割合、約3分の1が反対の立場、夫婦は同姓を名乗るべきだ、という考えである。
また、通称で別姓を使えることはいいが、戸籍上では同姓であるべきだ、という考えの人も4分の1だ。
仕事などの現場で夫婦が別姓でも構わない人は半分以上いるが、一方では、戸籍上では夫婦は同姓であるべきだ、という人もまた半分以上なのである。
すなわち、半数以上が、「自分とはなんの関係もない人物であっても、世の中に戸籍から夫婦別姓を名乗る奴がいるのは看過できない」という意見だということである。

さて、このように「戸籍上の夫婦が別姓であることは認められない」という人は多いが、その理由はなんなのだろうか。
それについては、上記内閣府ホームページの調査結果にいくつか興味深い項目がある。
この調査では、他に、以下のような項目も調査されている。

 1)家族内で別姓があると家族の絆に悪い影響をすると思うか
 2)姓の異なる配偶者の親たちとの関係に悪い影響があると思うか
 3)夫婦別姓の場合、子に悪い影響があると思うか

このうち、最初の2項目、1)と2)については、「影響がないと思う」と答えた人が十分に多数。1)は56.0%、2)は77.2%。
対して、3)については、66.2%が「影響があると思う」と答えている。
しかし、一方では、「子どもに影響はないと思う」という人の割合は、過去調査と比較すると、どんどん上昇している。
家族内の絆にはそう影響がないと思う一方、子どもへの悪影響はある、と考えている。とすると、この子どもへの悪影響とは、家族内ではなく外部からの悪影響ということであろう。法的な不利益などはないわけだから、体裁の悪さやいじめの対象になり得ること、受験や就職への影響などを想定しているのだろうか。どうもぴんとこない。
分かることは、特別はっきりした根拠はないが、なにか夫婦別姓に対してバッシングに類する社会的圧力が存在するんじゃないだろうか、という、漠然とした不安が広く存在する、ということだけである。

私自身は、自分は別姓を選択したいとは全く思わなかったし、既に結婚しているので今から当事者になることはまずないだろう(ないことを願いたい)が、夫婦別姓にしたい、と願う人の望みを実現することについては賛成である。
一方、夫婦別姓に対して反対の人も多数いることも理解できないわけではない。実際に、夫婦別姓を認める、すなわち家族内で姓の違う人物が存在する、ということに対して、抵抗感がある人もいるだろうことは分かる。この平成の世ににおいても、いまだ家、家系、血筋や家柄という価値観から免れ得ない人も存在しないわけではないし、こういう考えを変えさせることはまず不可能だ。非常に深い、人格の根源的な部分に根ざすからである。
しかし、一番分からないのは、特に夫婦別姓を否定する根拠をもたないのに、なんとなく夫婦別姓の法制化、つまり他人が夫婦別姓を選択することを忌避する人が存在するらしい、ということなのである。

そこには「夫婦別姓はなにか怖い、よくないものだ」という幽霊がいるんじゃないだろうか。
幽霊相手には、どんなに武器を振るっても倒すことはできない。幽霊などいない、と信じることでしか消すことはできない。


posted by あずみ at 12:37| Comment(4) | TrackBack(0) | ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。